2021年6月7日

0.5秒

         

「0.5秒」 日頃より園の活動に多くのご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。 幼稚園と保育園の違いの一つに「園庭」があります。園庭の種類ではなく、その設置基準に違いがあります。 保育園の園庭は近所の公園等で代替可能です。よくお散歩している光景を見ますね。幼稚園では同一敷地内に園庭があること、または隣接していることが求められます。 それぞれに細かい基準がありますが、今回は割愛します。 0.5秒。 これは子どもが転倒する時の平均の時間です。すぐそばに先生や大人がいたところで防げるものではないでしょう。本園では園庭各所、時間帯によって先生の配置が決まっています。多くの人数を配置し子ども達の遊びを見守ります。 しかし、怪我を完璧に防ごうとすれば、結論は「遊ばせない」です。四方をクッション性のものにして、少人数で遊べば限りなくゼロに近づけるかもしれませんが、それを続けていると、極端に言えばその環境以外で活動することができない人になってしまいます。 私たち幼稚園は「教育」を行う場所です。園庭で繰り広げられる遊びも子ども達の成長にとって大切であることから、各園とも子ども自身の成長に繋がるよう様々な工夫を凝らし整備していることでしょう。 その一つにリスクとハザードという概念があります。リスクは成長する上で許容できる危険を指し、先生や子どもがその危険を認識した上で遊んでいることです。ハザードは認識できていない危険のことです。例えば、転んだ先に鋭利なものが目に見えない形で潜んでいたりすればそれはハザードとなるでしょう。私たちはリスクとハザードを管理しながら、子ども達の成長に繋げていかなくてはなりません。 ご入園時にもお伝えしていますが、遊んでいれば怪我をします。「怪我はつきもの」とはいえ、負ってはならない怪我というものがあります。毎日過ごしていると、いつしかそれが当たり前になっていき、危険に気が付かないという事態に。 安全だけど面白くもない場所、楽しそうだけど管理できない場所。どちらでもいけません。園全体の意識を高め、第三者のプロの視点も入れながら園庭の安全管理を行なってまいります。 「0.5秒」のその後、大きな怪我に繋がらないよう沢山の時間をかける必要があります。

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